倉庫の王様

サチが見てる。



見てるんだ。



走って抱きしめて…俺のだって言いてぇ。



だから誰も手を出すなって。



俺のサチだから…。



クラスの中にいても目立つ背の低さ。



珍しくアップになってる髪…。



昨日の夜、お前に触れてたのは俺だ。



ヤキモチ妬いたふりして…。



お前に心配させたくなくてあんな態度取ったけど、俺はバカだよ。



どうにかごまかせてたらなにか変わったかもしれない…。



「理事長も一緒にどうですか?」

「へっ!?俺も!?」

「3年生は好きなことやってるんで今日は鬼ごっこなんですよ」

「でも俺スーツだし…」

「ちなみに今は私が鬼です。はい、タッチ。理事長が鬼ですよ~」



ふざけた体育教師だなオイ。



だけど気を紛らわすには調度よかった。



サチもいるし…。



サチ。



サチ、悪い、これは確信犯だ。



「キャァァァァ!!集中攻撃はナシでしょ~!?」

「待てチビっ!!」



抱きしめてやる。