倉庫の王様

怒りを堪えてるように見える高橋伊吹。



大人の余裕、見せつけてやる。



「言っとくけど俺の方がアイツに近づけるんだからな」

「それは忠告と受け取ればいいのかい?高橋君」

「さぁ?余裕ぶっこいてて取られねぇようにしろよ。ロリコン理事長」



余裕を見せるつもりが久しぶりに頭にきた。



気づけば高橋の胸倉を掴んでて…。



「サチ泣かせたらタダじゃおかねぇから」



そんな言葉を口が勝手に発してた。



パシッと払われた手がジンジンする…。



「そんなに大事なら首輪だけじゃなくてちゃんと小屋に繋いどけよ」

「ガキが生意気言ってんじゃねぇぞコラ」

「名乗り出ることもできねぇくせに。アイツを悲しませてるのはアンタじゃねぇのかよ」



引くかと思えば全く引かない高橋に、どうしたらいいかわからなくなった。



コイツ、本気だ…。



本当にサチが好きなんだ…。



「好きにしたらいい。バラしてぇならやれよ。そん時は理事長なんて立場、お前にくれてやるから」

「後悔すんなよ」



ど、どうしようか…。