倉庫の王様

始業式が終わる頃には先生の姿はなくて、ホームルームをサボって倉庫にやって来た。



久しぶりだからドキドキしちゃう…。



カギを開けて中に入ったらソファーに横になってる先生がいた。



「カギ閉めて~」

「うん…」



疲れてるのかな、眠そう…。



スッと手を差し出した先生に近寄った。



「大丈夫?」

「記憶ないこと気づかれないようにすんの、もう慣れた」

「そっか、ムリしないでね?」



ムクッと起き上がった先生にギュッと抱きしめられた。



お腹に先生の顔が…。



ちょっと甘えん坊…?



「ふふっ…」

「なに?」

「先生カワイイ」

「疲れてんの!!黙れ…襲うかんな…」

「超カワイイ~!!」



頭をギュッと抱きしめた。



襲うとか言うくせにあんまりキスもしないじゃん。



あたしの温もりを確かめるかのようにこうして抱きしめるだけで。



先生の優しさなのかな?



それとも自分のため?