倉庫の王様

久しぶりのキスもほどほどに、先生はあたしの部屋に行きたいとのこと。



それは父が見たら怒りそうだけど…。



まだ帰って来ないもん。



「やっぱりお前んちって儲かってんだな~…」

「そうかな?」

「普通住めねぇって、こんな場所の35階になんて…」

「でも父の仕事のために広い部屋がほしいんだって。父の部屋にパソコンしかないの」



いつも引きこもって仕事してる父の部屋はたくさんのパソコンに囲まれてる。



あたしは触っちゃいけないんだって子供の時から言われてるから自分のしか触れない。



ってかまず父の部屋に行くことがあんまりない。



「親父さんこの前雑誌に載ってたよな」

「そうなの?」

「新時代を担う若手イケメン社長って書かれてた」



何も知らないし~!!


なんで言ってくれないんだバカ父!!



父の仕事内容もよく教えてもらえないから別に今更だけどさ…。



「ここがあたしの部屋!!」

「龍ヶ崎っぽい…」

「どの辺が?」

「ぬいぐるみまみれ…」



だって好きだし父がお土産とかでくれるし…。



カワイイじゃん…。