倉庫の王様

実家にいた時からサチの面倒を見てた父だから体が覚えてるそうで。



なんかすげぇ…。



母親みたい…。



「サチの祖父母とは今回連絡取った…?」

「まさか。俺が会社を立ち上げた時くらいから疎遠。最後に会ったのは親戚の結婚式だったかな?8年くらい前」



じゃあ父の両親は結婚したのも子供が産まれたことも知らないのか…。



やっぱり尊敬する…。



俺は祖父ちゃんにばっかり頼ってたからな…。



「寂しくないんですか?」

「寂しくないって言ったらウソになるかな。でも俺はサチがいちばんだから。そういう守り方しかできない」

「じゃあそろそろ肩の荷を降ろして俺に託したら?」

「バカ言ってんじゃねぇよ青二才が」



ダメか…。



もし真剣に言ったら父はサチを手放してくれんの?



いつ頃なら結婚していいわけ?



「先生はどんなガキだった?」

「やることやってから親父に反発する悪ガキだったと…」

「どんな意味かさっぱりわからん…」



俺が髪を染めたのはいつだったか…。