倉庫の王様

面倒な仕事は教頭がやってくれるから夏休みも特に忙しくない。



さぁ帰ろう。



「俺帰りますから」

「なにかあったらご連絡します」

「よろしくお願いしまぁす」



夏休み、なにもないことを祈ってひとまずガレージに帰った。



有意義にしようと思ったのに…。



金髪でバカ高の制服をだらしなく着こなした見知らぬヤツが俺ん家の前にいる…。



シャッターを開ける前に車から降りてみた。



「うちになにか?」

「スミレの兄ちゃん!?うわっ、超かっけぇ~!!」

「は…い?」

「俺ユタっス!!今日から世話になります!!」



言ってる意味がわからない。



今日から世話になる?



まずお前…誰?



「話しが見えねぇんだけど…」

「家出したんスよ、スミレの親父さんに反対されたから」

「そう。じゃあ達者でな」

「ちょちょちょちょちょっ!!待ってよ兄ちゃん」



めちゃくちゃ馴れ馴れしい!!



それにスミレは!?