倉庫の王様

文句を言われることも少ないし、みんな自分勝手に授業だけはしっかりやってくれてる。



ぶっちゃけこの学校の理事長は楽だ。



「遊和、ちょっと」



職員室にいたはずのトーヤが急遽俺を呼びに来た。



電話来たら出るって役目だったはずだけど…。



「サッチンの父から電話あって、アユミの子供生まれたって」

「マジか!!男?女?」

「そこまで聞かないよ…。だからサッチン帰すね。抜けられない仕事があるからって今から来てほしいんだって」

「わかった。お前から伝えて」

「そりゃあ担任ですからね」



嬉しいニュースにサチもかなりニコニコしてた。



こんな時に話しかけられない立場を恨みたくなる…。



一緒に喜びたかったな…。



夏休みになっちゃっうし…。



あぁ~…。



サチが姉ちゃんか…。



あのチビが?



ウケんだけど。



弟か妹か…。



すっげぇ気になるからあとで父に電話しよ。



そう思いながらニヤけて終わった終業式。