倉庫の王様

先生が抱きしめてくれると泣きそうになる。



苦しくて…切ない…。



「バカみてぇ…」

「なにが…?」

「いろんなことに妬きすぎてる自分」



もしかして…。



先生は不安なの?



卒業したってあたしは変わらず先生のモノだよ?



なにに焦ってるの?



「あたしが先生の知らないとこに行くのがイヤ?」

「正直すっげぇイヤ。ずっと生徒のままでいい…」

「先生からは離れないよ?」

「わかんねぇじゃん…。俺なんかただの理事長だし…。なんの取り柄もねぇ…」

「店長のことを心配してるならそれは間違いだよ!?タイプじゃないもん」

「カッコイイじゃん…。顔とか…」



ん?



なんで先生が店長の顔を知ってるんですか?



「まさか先生っ!!」

「行ったよ!!わりぃかよ!!自己嫌悪だよ…」

「それで不安になってるの?」

「はい…」



なんだか…超カワイイ…。



抱きしめたくなっちゃうじゃん!!



だけどあたしが先生を抱きしめるのは体格的にムリだからギュ~ッと抱き着いた。