倉庫の王様

授業が終わる前には起こさなきゃと思い、体を揺すった。



「熱いね…」

「なぁ、お前ネックレスなんかしてたっけ?」

「コレね、店長が仕入れて来て、欲しくなって見てたらくれたからつけてみたらカギがなきゃ開かないみたいで…」



『外れなくなっちゃったの』



なんて悪気もなく言うもんだから…。



ヤキモチ心で引き契ってやろうかと思った。



アクセサリー類はあげたことがない。



身につけるものを簡単にあげるのはちょっとイヤだったから…。



なのにそんな安々ともらいやがって…。



「俺のやるからそれ外せ」

「外れないんだもん。先生のくれるって…」

「俺が初めて買ったシルバー。もう10年以上つけてる」

「そんな大事なものもらえないよ!!カギは店長が探してくれてるし…」



その店長が怪しいって言ってんだよ。



くそ~…もう休み時間になりそうだ…。



「とにかく俺以外からそんなもんもらうな」

「えっ…。だけど…」



コイツわかってねぇ~…。