倉庫の王様

【遊和】



サチがバイトなんか始めた…。



本当のこと言えば、そばに置いといて、どこにも行かせたくない。



世間なんて知らなくていいし、俺だけみてればいい。



なのにこんなに行動が早いなんて思ってなかった…。



なんかあったらどうしよ…。



「理事長~、昼メシ食わせて?」

「洋子先生の弁当あんじゃねぇの?」

「洋チン、昨日から入院してしまった…」

「は!?なんで!?」

「思わしくないらしいのです、ベビーたん」

「大丈夫なのかよ…。お前ついてなくていいの?少しくらい休んでも…」



どことなく元気がないトーヤ…。



洋子先生が休むなって言ったらしいけど…。



「俺が悪いのかな?洋チン、結婚してから笑ってなかったから…」

「またやらかしたのかよ…」

「実際ね、ひとりの女をずっと好きでいるとか、俺よくわかんない…。だけど、なんか守っていかなきゃいけないものはちょっとわかったから…。だからもうしないことにした」



トーヤが大人になってる…。



そうか、やっと気づいたか…。



これでもう安心して見てられる…。