倉庫の王様

もどかしい感情と一緒に入ったサチの家。



頼むからバレないようにしてくれ…。



「いらっしゃいイブ君!!」

「これ、借りてたヤツ。ヒマだったから返しに来た」

「わざわざよかったのに!!せ、先生は父が待ってるからあがって!!」



顔が引き攣ってんぞ…。



高橋がここで帰ってくれりゃあいいんだけど…。



「サッチャンのお友達？あがったら？」

「サチってお姉さんいたんスか？美人ですね」

「あたしはサッチャンのママだよ～。ほら、あがりな!!」



ゴルァアユミ!!



ふざけるな!!



「ついでに先生もどうぞ」



まだ怒ってたか…。



ですよね…。



それで高橋に愛想振り撒いてんだな…。



「お、お邪魔します…」



リビングでは父が新聞を読みながら片手でパソコンをいじるという究極の技を発揮してた。



仕事が忙しいんだろうか…。



「ご無沙汰してます。本日はお礼に伺いました」

「今話しかけてほしくない」



はい、黙ります。