倉庫の王様

一緒に乗ったエレベーターではあの日の話しをし始めた。



俺がサチにブチギレた時の停電…。



「暗いとこダメらしくて」

「そうなのか…。暗所恐怖症ってヤツか?」

「その時に思ったんスよね、コイツのこと守りたいって」

「へぇ~、じゃあやっぱりお前は龍ヶ崎が好きなのか」

「らしいです。しかも小3からずっと。気づくの遅すぎました」



できることなら一生気づかなきゃよかったのに…。



頼むから変な気を起こすなよ…。



「告ったんスけどフラれました」

「は!?マジ…で?」

「どうやったらうまくいくのかわかんねぇっス。俺、頭まで筋肉なんかな…」



サチが高橋をフッてた?



それって聞いてない。



いやいや、聞かなくて当たり前なんだけど…。



こうしてここにいるってことはまだ諦めねぇ感じだよな?



「引き際も肝心だぞ?」

「引ける気がしないんでこのまま頑張ります」

「まぁ…ほどほどに…」



やっと35階…。



なんでこんな高いとこに住んでんだよ父!!