倉庫の王様

アユミさんには具合が悪いと見え見えのウソをついて、父にもうまく言ってもらうことにした。



次の日もなにもする気になれず、腫れた目を隠すようにベッドの中。



アユミさんには感謝してもしきれないくらい。



ご飯も食べたくないし、本当になにも手につかない。



壊した携帯は鳴るわけもなく、夕方にヒカリがお見舞いにやってきた。



「宮さんと別れたんだって?」

「えっ!?」

「昼に呼ばれてさ、サチを頼まれた。自分でどうにかしろって言ったけどメールも返って来ないから心配で…」

「ごめん…」

「あたしはいいけど…。高橋 伊吹がすっごい心配してたよ」



イブ君が…。



そっか、告られたんだっけ…。



「イブ君に告られた…」

「うん、見るからにサチ一筋だもんね」



知ってたのか…。



イブ君があたしの心配なんて…なんかおかしいな…。



ずっと嫌われてるんだと思ってたし。



「付き合っちゃえば?高橋伊吹と。あたし的に今回は宮さんに幻滅したね」



あたしがイブ君と付き合う…?