倉庫の王様

だけどやっぱり部屋で犬のぬいぐるみを抱っこしたら涙が溢れて来た。



先生がくれた犬…。



あたしも先生の部屋になにか置いてくればよかった…。



少しでもあたしを思い出してくれるようなもの…。



『先生と別れたらこの先なにを楽しみに生きて行けばいいかわからない』



勇気を出して入れたメール。



授業中だったのか、返って来たのは30分後だった。



『お前なら大丈夫。学校にいる時にあんな話しして悪かったな』



先生は昔みたいに線を引こうとしてる。



誰にでも優しくて、サラッと拒否をする。



このメールで感じてしまった先生の固い意志。



昔に戻ってしまった…。



もうダメなのかも…。



『意味がわかんない!!どうしてそんな態度とるの!?先生は平気なの!?』



半ばやけになって返したメール。



『俺は平気。ただお前がいなくなるだけ。ただ、それだけのこと』



メールを開いて読んだ瞬間、無意識に携帯を折った。



もうなにも見たくない。



なにも聞きたくない。