倉庫の王様

初詣にでも連れ出してやりたいけどこの辺の神社は有名だから誰かに会いそうで怖い。



せめて正月気分を味わわせてやろうと思った俺がバカでした…。



「サッチャ~ン!!いらっしゃい!!」

「あっ、明けましておめでとうございます!!」

「写真撮らない?あたしと」

「へっ!?」

「もぅ~~~!!サッチャンペット系!!カワイイ~!!」



この家のヤツらはサチをなんだと思ってんだ?



俺のサチに好き勝手言いやがって…。



「遊和さん、着替えて家元に挨拶しなくてよろしいの?」

「あっ、するする。早くしねぇとうっせぇからな」

「御召し物はお部屋に用意してますよ」



使用人さんに礼を言ってからサチと久しぶりに入った実家の自室。



すっげぇキレイにされてる…。



「ここが先生の部屋…」

「着替えるからあっち向いとけば?見たいなら見てもいいけど」

「直視できなそうだからいい…」



自分で和服を着るのなんか当たり前のように育ったからすぐに着れる。



その間のサチは高校時代のアルバムを発見…。



卒アルはヤバイって…。