倉庫の王様

プチゲンカしながら着いた実家では弟の桔梗が出迎えた。



サチとは2回目か。



「明けましておめでとうございます。今日はずいぶんカワイイですね、サチさん」

「先生が着せてくれたんです。着慣れないから苦しいですけど」

「七五三みたいですね~」

「…………」



完璧に皮肉か?



ってか俺と同じこと言うなよ…。



やっぱり真面目な桔梗は俺とサチの仲には反対らしい。



もうひとり反対してるヤツも今日は着物だ…。



「遊和兄~!!お年玉ちょうだいね?」

「あぁ」

「早く着替えてよ~。スミレが遊和兄の着物選んだの!!」

「サチに挨拶しろよ」

「いたの?あけおめ。でね、今年のは超カッコイイんだよ~!!」



ブラコン…。



甘やかし過ぎた結果だろうけど…。



「サチ、ごめんな。スミレも悪気はねぇんだろうけど…」

「悪気ありまくり兄弟じゃん。超アウェイ!!帰りたい!!」



連れて来るんじゃなかったかも…。



ブチギレそうなサチと一緒に家の中に入った。