倉庫の王様

自分の胸にあたしの頭を引き寄せてギュッと抱きしめた先生…。



この匂いだ…。



大好き…。



「サチ~…」

「窒息しちゃうっ…」

「ちょっとだけ押し倒していい?マジちょっとだけ」

「キャッ!!」



ポフッとベッドに押し倒されたあたしを上から切なげな顔で見つめる先生…。



なにその顔…。



キュンとしすぎて心臓が痛い…。



「もぅ~~~…」

「な、なに?」

「メリークリスマス…」

「め、メリークリスマス…?」



頭を抱えた先生はあたしの上からどいてなにも言わずにリビングに行った。



どんな…意味?



あたしなにかしたの?



後を追い掛けると調度帰ってきた父とアユミさん。



「来てたのか先生」

「今来たとこです。あっ、ご結婚おめでとうございます」

「飲んでく?って…先生酒飲めねぇか…。よし、帰れ」

「顔見に来ただけなんで帰りますよ。あっ、上着忘れた」



もう帰っちゃうの!?