集中治療室の前に座ってるユリさん。



相当疲れてるのか居眠り中…。



「ユリさん、後は俺がついてるから帰って寝なよ」

「いいの…今は離れたくないの…。毛玉チャンにご飯あげたの?」

「毛玉は真央に連れてってもらったから大丈夫」

「そう…」



コレじゃユリさんが倒れちまうって…。



だけどひとりにするわけにはいかなくて、俺もずっとユリさんの隣にいた。



朝になってたことにも気付かずに眠ってた俺とユリさん…。



「宮さん、宮さん」

「はっ…はい!!」

「意識が戻られましたよ。もう大丈夫です」



その言葉を聞いたユリさんが流した涙はきっと忘れられない…。



俺からしてみればムカつく親父だけど…。



ユリさんからしたらいい旦那なのかも…。



しばらくユリさんと親父をふたりにして、俺は心配で何も手に付かない弟達に電話。



ユリさんが正気に戻ってから病室に入った。



「遊和…か?」

「一応来てやったけど…。死にかけてんじゃねぇよ…」

「すまない…」



親父ってこんなに小さかったっけ…。



なんだか老けたな…。



しかも横になってる親父って初めてみたかも…。