そして1時間後、なんか久しぶり過ぎてヘトヘト…。



「どんなもんだ…」

「体力はないけど…やっぱり兄さんに勝てる気がしないですね…。素晴らしい…」

「あのねぇ、俺は好きでやってたんじゃねぇの。やらされてたの」

「不公平ですね…」

「お前の気持ちはありがたくもらっとくから。後は俺に任せろ」

「兄さん…」



だけど実際このまま死親父になれたらマジでどうしたらいいかわかんねぇ…。



俺は本当にこの家に戻らなきゃダメなのか…?



ってか病院行かなきゃ…。



「スミレ、ユリさんの着替え用意して」

「うんっ…」

「何泣いてんだよ」

「遊和兄って…やっぱり凄いと思って…なんか…感動した…」



スミレがこんなふうになったのも俺のせい。



歳が離れた妹だったからカワイくて超甘やかしてた。



なのに俺が家を勝手に出たから…。



ブラコンのスミレは俺を求めてたのかも…。



「兄さん、だけど本当に僕はこの家を継いでもイイと思ってるんです。それだけは忘れないでください」

「あぁ、わかった」



弟のありがたい気持ちも心に閉まって病院に戻った。



面会時間はとっくに終わってて、だけどユリさんが離れなくて…。



俺も眠い…。