理性と本能の戦い…。



チラつくサチの泣き顔…。



「おいおい、触んなよ」

「真央さんマジカッコイイんだもん…」

「もう出るか。遊和、先帰るからな」



真央が女とベタベタしながら出てった。



ふたりにすんな…。



今の俺、マジで誘惑に負けそう…。



「あたしたちも出よう?」

「まだ来たばっかり。一杯しか飲んでねぇし」



もっぱらコーラだけど…。



だから酔ってるわけじゃないし…。



目の前の女はタイプでもなけりゃサチでもない…。



これってサチを泣かせることだよな…。



「悪いけどやめとく」

「なんでぇ!?」

「彼女いるから…」

「黙ってればバレないよ?」

「だよ…な…?」

「今夜かぎりの関係なんだし。ね?」



黙ってればバレねぇよな。



黙ってられるかわかんねぇけど…。



近づいてきた顔…。



キスしたらそのまま流れに任せそう…。



だからキスしたら終わり…。



「ごめっ、やっぱムリ」



ムリだ…。