倉庫の王様

俺だって知らねぇ。



サチなんか知らね。



「真央~、酒飲みた~い」

「飲めねぇだろ」

「飲むから見張ってて」

「ヤダ。前にぶっ倒れた時どんだけ苦労したかわかってんのか?」

「じゃあ楽しいとこ行く…」

「店終わったらな」



イライラを落ち着かせるために真央の店に来て膨れる。



メールもしてこねぇ…。



マジムカつくアイツ。



「遊和さ~ん、モデルになってくださいよ~」

「どんな?」

「パーマ」

「緩め希望」

「座ってください!!」



顔見知りの真央んちの従業員。



たまに実験台にさせられる俺とトーヤ。



気分転換には持って来いだな。



「彼女とケンカでもしたんですか?」

「なんで女?」

「最近遊和さんが来ないのは彼女できたからかなって噂してたんですよ」

「女なんてクソだ」

「あたしも?」

「フウチャンは別~」

「じゃあ1回デートしてくださいよ」

「俺とデートしたら最後にラブホ行きだけど?」

「いいですよ?」



キッツイ真央の視線に気づいて焦った。