倉庫の王様

俺の名付けも祖父ちゃん。



『生涯遊べ』と『平和な暮らし』って言葉が座右の銘らしい。



結構ふざけた人間だけど俺は大好き。



でもまともに働くってキツいわけよ。



朝は早いし同僚とは微妙だし。



やめてぇ~とか日々思ってる。



だけど朝は朝でまた好きな時間があったりして。



「おはよ~!!」



そう言って毎日俺の隠れ家へやって来るひとりの生徒。



禁煙の校内で唯一タバコが吸える場所に来る。



俺のクラスで成績は中の上。



飛び抜けて目立つわけでもなく、輪の中心ってわけでもない。



『龍ヶ崎 サチ』



家庭が訳ありっぽいけどあえて突っ込まない優しい俺。



「パンツ何色?」

「先生は何色が好き?」

「どぎついヤツ」

「じゃあ赤」

「最高だな」



きっと。



たぶん。



いや、絶対。



コイツは俺が好き。



毎日ココに来て、俺に会いに来てて…。



そんなのわからないほどバカじゃない。