倉庫の王様

【遊和】



なぜ自分が教師になったのか、今だに疑問。



公務員だからとか、たぶんそんな理由。



だけど今はコイツらといるのが楽しい。



バカみたいに楽しい学生生活を毎年味わえるなんて俺ってラッキー?



「宮チャン?添い寝して?」

「ダメダメ、理性ぶっ飛ぶから」

「いいよ?宮チャンなら」

「織田先生、添い寝してほしいってさ。薬、ありがとです」



卑猥な俺に『お大事にね~』なんてニコニコ笑顔で俺を保健室から出してくれる優しい織田先生。



織田先生以外は微妙な人間関係。



俺がこんなだから言いたいことも山のようにあるんだろうけど。



だけど残念、俺はこの学校の理事長の孫だから。



俺の父と反りが合わない祖父ちゃんは、俺に激甘。



俺も真面目な人間じゃないから祖父ちゃんとは馬が合う。



父親が厳しかったから俺はもちろん祖父ちゃん派。



冗談すら言えない人間にはなるなと言われてた。



そんな祖父ちゃんみたいになりたいとは思ってる。