倉庫の王様

【遊和】



なにカワイイ顔してんだよ。



不安そうに俺の服引っ張っちゃって。



どんだけカワイイわけ?



「攻めてるつもりは…」

「そういう意味でしょ。サチに決めさせてるような気がするんだけど」

「だけどサチの意志も…。呼び捨てにしてんじゃねぇクソ教師!!」

「はいはい、しちゃいなよ。ふたりの問題でしょ」



サチだって父の幸せを考えてんだから。



イヤだなんて言えるわけないんだ。



わかってないねぇ~。



だけどサチを思ってることは伝わって来る。



「アユミって料理下手…」

「うるさい。生徒に手ぇ出す遊和に言われたくない」

「関係ねぇし。変わんねぇなアユミ。よく父が我慢してると思うよ」



アユミは高校の時によく遊んでた。



なぜかコイツとは恋愛関係には発展しなかった。



たぶん俺に似てるから。



よく男紹介したっけ…。



俺もされたけど…。



「あたしはっ…別に…いいよ…」

「サッチャン…」



偉いなサチ…。