倉庫の王様

今まではあたしだけの父だったのに…。



キレイすぎる彼女が少し憎いよ…。



キッチンだってあたしの場所なのに…。



「麻飛(アサヒ)、お皿出して」

「コレでいい?」



呼び捨てだし…。



父の名前なんか忘れちゃうくらいだったよ…。



「あたしもなにか手伝います…」

「いいから座ってなよ!!今日はサッチャンにいいとこ見せるんだから!!」

「下心ですか?」

「そうだよ~。本当は家事なんて大嫌い!!」



今の発言意外だった…。



裏表がない人なのかな…。



よく見せようとしてくれてるくせに…。



「あっ、じゃあコレだけ洗ってもらおうかな!!」

「はい」

「麻飛はあっち行ってて。遊和んとこ」



ふたりにしないで父っ!!



だけど父はなにも言わず手を拭いて先生のとこに行ってしまった。



「サッチャン、勘違いしてほしくないんだけど」

「な、なにをですか!?」

「麻飛の『いちばん』はあたしじゃなくてサッチャンだからね?ムカつくくらい…」



怖いっ!!