相当警戒してるくせに…。



あたしを家に呼んでくれないのも警戒心でしょ?



会いたいのに会えない…。



「よし、着いた。部屋まで送るから」

「うん」



律義な先生は父がいる時、挨拶して帰る。



父も父でそんな先生を嫌いではないみたい…。



「っと…。その前にすることあった…」

「うん…」



バイバイのキスは車の中。



誰にも見られないように前進で止めた車…。



先生とのキスは余計離れたくなくさせる…。



まだ帰りたくないのにな…。



渋々乗ったエレベーターは最上階の35階。



先に降りた先生の後を着いて家のカギを開けた。



「父~!!先生が挨拶したいって……」

「初めまして!!お父さんの彼女のアユミで…」

「先生?」

「遊…和…!?遊和だよね!?」



知り合い!?



ウソだぁ~!!



世間ってそんなに狭くないはずだよ!!



「アユミだったのか!!父の女っ!!」

「久しぶりぃ~!!」



あたしは放置ですか…?