倉庫の王様

サチの言葉に対してつい手が出てしまったと…。



今まで手を挙げたことなんかなかったのにって物凄く悔やんでた。



「あたし…邪魔なのかとか…」

「考える必要ねぇよ。父はもう血なんか関係ないくらいお前をちゃんと娘だと思ってる」

「いいの…?父は幸せじゃないかもしれない…」

「お前のそばにいられなくなる方が父には辛いと思うぞ?」

「あたし…父の子でよかった…」



涙をいっぱいに溜めて笑うサチにチクチク胸が痛んだ。



父とサチの関係にヤキモチ妬くくらい。



羨ましいとも思える関係…。



「先生、もう一回父に謝って来る…」

「おぅ、行け」

「先生も来て…」



このふたりの親子関係はなにがあっても壊れたりしないだろう。



父がサチに愛情を注いで育てた集大成…。



「父…。本当にごめんなさい」

「もう謝んなくていいって。他人行儀とか本当にやめてほしいし」

「父はあたしの父だから…これからもワガママいっぱい言うし…干渉されすぎたら怒る…」

「それでいいんだよ。父ちゃんも今度彼女紹介するから」



エエ親子や~…。