柚里の時とは、全く違うように感じる“好き”だけれど、裏を返してしまえば、同じ感情には違いない。


しかし、俺にはまだ大きな仕事が残っている。

柚里との関係に、きちんとけじめをつけなければ。

有貴に自分の本当の想いを告げるのは、それからだ。

柚里には本当の自分の想いを、全て話そう。

嫌われたって、引かれたっていい。

俺の想いを知ってもらえれば、それでいい。

全部をわかってほしいなんて、そんな我が儘は言わないよ。


「こんにちはー…」


海の家に、1日限りの新しいバイトがやって来た。


「君が有貴くんね!あたしは流羽の従姉の石田佳苗。昨日はお客様として、あと流羽のお友達としても来てたよね」

「あれ、佳苗、有貴が昼間にもうちに来てたの知ってたんだ?」


それは意外だ。

確かあの時の店内は、結構混雑していたのに。


「うん。焼きそば作りながら、超あたしのタイプって思ってた!」


頬を赤く染めながら、佳苗は有貴を見る。


「ちょっと照れますね」


そんな佳苗に、有貴は顔を綻ばせた。


「よし!今日は一緒に頑張ろうな!」


宜しくと、有貴の肩を軽くぽんっと叩く。


「今日1日宜しくねっ、有貴くん!」

「はい、宜しくお願いします!」