智兄は、俺の自慢。

優しくて、カッコよくて。

学年でトップの成績、おまけにスポーツだって何でもこなしちゃうんだ。

俺は智兄が大好きで、憧れ。

いつだって、その背中を追い掛けてきたんだよ。


でもね、知らなかった。

本当の智兄を。


智兄。

俺、信じてるから。

あの時の智兄は、本当の智兄じゃないって。

信じてるからね…?


だけど、俺の心に刻まれた傷は深く、大きくて。

そしてきっと、一生癒えることの無い、この傷跡。