必要なんだよね。 お互いに、お互いが。 俺は有貴の傍にいる。 何でも受け止めるから。 だから、もっと俺を頼ってほしい。 言ったよな? 誰かにすがった方がいいって。 ねぇ、教えてよ。 その悲しい瞳の奥に秘められた想いは、何? 「…流羽は、俺の傍にいてくれるの?」 立ち止まり、有貴がポツリとそう言った。 家はもう、すぐ目の前だった。 「何言ってんだよっ。傍にいるに、決まってんじゃん!」 有貴の両肩を掴み、真っ直ぐに見つめる。