片手を上げ、白雨の顔を掴んだ。

「うぐっ!」

呻いた声を出した白雨に驚いて、正義くんは顔を上げた。

「―さっきっから大人しくしてりゃ、調子付きやがって…! このチンピラがぁあ!」

ナイフを掴む手を握り、そのまま背負い投げをした。

「がはっ!?」

「ケンカ売る相手、完全に間違えたわね。アンタ」

「ひっひなさん?」

わたしは正義くんに視線を向けると、彼に近付き、

ぱぁんっ!

…頬を叩いた。

「えっ…」