「本当に一時ならね。…翠麻くん、あなたのケータイナンバー、教えて」

「はっはい! もちろん!」

翠麻の表情に喜びの色が差した。

そしてケータイナンバーを交換して、わたし達は店を出た。

「今日はお時間をとらせてしまい、本当にすみませんでした」

「…問題は一刻も早く片付ける。アンタはそれまで大人しくしててくれ」

二人はもう一度わたしに頭を下げて、街の中に歩いて行った。

わたしはふらっ…と歩き出した。

…美夜が出てくるのだから、一般人であるわたしは関わらない方が良いのだろう。

そう、わたしは一般人なんだから…。