「はっきり言ってやったらどうだ? 藤矢」
今まで黙っていた芙蓉が、重々しく口を開いた。
「夜上さんは今、身動きがしにくい状態なんだ。そんな中で、アンタがチョロチョロしてたら邪魔なんだよ」
「…別れろという話なら、聞かないわよ。両思いだもの。そのぐらいで揺らぐ心じゃないの」
わたしは二人の言おうとしていることを悟り、睨み付けた。
「やっぱりそう言いますか」
翠麻は予想していたという顔をした。
「まあ…ボク等も夜上クンがはじめて愛した人と別れさせることは本意ではありません。ですが今は、控えてくれませんか?」
「…会うことを?」
「できれば」
翠麻は苦笑して、肩を竦めた。
今まで黙っていた芙蓉が、重々しく口を開いた。
「夜上さんは今、身動きがしにくい状態なんだ。そんな中で、アンタがチョロチョロしてたら邪魔なんだよ」
「…別れろという話なら、聞かないわよ。両思いだもの。そのぐらいで揺らぐ心じゃないの」
わたしは二人の言おうとしていることを悟り、睨み付けた。
「やっぱりそう言いますか」
翠麻は予想していたという顔をした。
「まあ…ボク等も夜上クンがはじめて愛した人と別れさせることは本意ではありません。ですが今は、控えてくれませんか?」
「…会うことを?」
「できれば」
翠麻は苦笑して、肩を竦めた。

