重箱は、お母さんが出してきた。

高校一年なら、食べ盛りだからって…。

…でも流石に、三段はないと思う。

「わあ、スゴイ! 重箱だ」

やっぱり驚かれたし! …てーか引かれないだけ、まだマシかな?

「ひなさん、随分食べるんだね」

「えっ…」

…やっぱり本当のことを言おう。

「コレもお母さんの入り知恵って言うか…。まっまあ食べてみて!」

もうゴチャゴチャ言うよりも、食べさせた方が良い。

そう思って、わたしは重箱を開けた。

一段目はデザート、二段目はおかず、三段目はおむすびになっている。