恐る恐る中を覗くと、1人の少年が傷だらけで倒れていた。

わたしはハンカチを水道でぬらし、少年に駆け寄った。

「大丈夫? キミ、しっかりして」

声をかけながら、顔を拭いてあげた。

そして買ってきたミネラルウォーターを飲ませてあげると、少年は意識を取り戻した。

「…あれ? ここは…どこだ?」

「公園よ。あなた、倒れてたんだから」

汚れている顔や、手を拭きながら、ざっと全身を見た。

…大きなケガはしてなさそうだけど、病院には行った方がいいだろう。

「…ワケありじゃなかったら、救急車呼ぶけど?」

「いや…いい。いつものことだから」

声変わりをしたばかりの声で呟かれると、胸が痛かった。