昔を思い出すように、遠い目をした正義くんは苦笑した。

「1人で暴れ回ってたある日、ボロボロになって、公園で倒れたんだ。人に見つからないように、奥の木があるところに隠れててね。その時、ひなさんに助けてもらったんだ」

公園、木のある所…。

そして朱李ちゃんに見せてもらった写真を思い出し、わたしは気付いた。

「あっ、公園でボロボロに倒れてた不良って、正義くんだったの?」

「そっ。白虎のワナに引っ掛かっちゃってさ。みっともなかったなぁ」

…あの日。

夜だったけど、お腹が減ったわたしはコンビニに買い物に出た。

あそこの公園は横切ると、家に早くたどり着く。

その公園を歩いている時、奥の方からうめき声が聞こえてきた。