わたし以外の全員の気が、その男性から発せられる気迫に押されていた。

「理事長…!」

「何でここに…」

青城先輩と朱李ちゃんが、呆然と男性を見た。

「うん、ちょっと気になる報告を受けてね」

男性は微笑みながらも、目が笑っていない。

男性が歩き出すと、目の前にいる生徒達は道を開ける。

真っ直ぐに進み、正義くんと白雨の前で立ち止まった。

白雨の顔色は、すでに白い。

「あっ、ああっ…!」

…どうやら理事長の威厳は、かなりスゴイらしい。

恐怖が魂にまで、浸透しているのが分かる。