「おやおや、ずいぶん殺気立っているね」

まさに一触即発の時、おだやかな男性の声が、倉庫に響き渡った。

倉庫の入り口に、6人ほどの大人がいた。

大人だと分かったのは、全員スーツを着ているからだ。

真ん中にいた男性が、一歩前に進む。

「美夜の生徒として、素晴らしいことだとは思うけどね」

その男性を見て、わたしは正義くんの後ろに隠れた。

「ひっひなさん?」

「ちょっと隠れさせて!」

小声で言って、目線を男性に向ける。

「四獣神のことについては、私を通してもらわないと困るな」

おだやかな中にも、威厳が含まれている。