『……迎エニ…来タ…』


我の声は、
まるで地響きの様な唸り。


『…迎エニ来タ…。行キ先ヲ無クシタ者ヲ、「力」ノ尽キル者ヲ…』


感情の無い、
威圧的な言葉は、我の定め。


肌の色は、赤褐色。
角、牙…
背中には自由の無い大きな翼。

我の風貌を目にした誰もが恐怖に震え、後退りをする。


しかし、悲しくはない。


例えこの瞳が何を映そうとも、我は目的以外を捕らえる事は無い。



心など、無駄な物。
奪われたから何だと言うのか。


我に必要ない。