追憶 ―箱庭の境界―



「……何を言っているのか解らないわ、マルク!」


可哀想なリフィル様。
鳥籠の中の貴女。

貴女も、僕に抱き締められる日を心待ちにしているのに。


「今はラルファ国内にサザエルのウィッチたちを潜り込ませ、ラルファに混乱を与えている最中。貴女は只、待っていてくだされば良い。」

「…貴方、何を言っているの。何を任せると言うの…。国を動かす事は遊びではないのよ!?」


そんな事は解っていた。
しかし、目的を遂げたかった。

紅色の魔力。
其れさえあれば、貴女を自由に出来るのだから。

其れはカルラ王女が持つ魔力。
彼女はシオン国からラルファへ嫁ごうとしている最中。


「…遊び、ですか?その様なつもりはありませんよ。僕は本気です。…まぁ、楽しくはなってきていますが…」

「――楽しい、ですって!?」

「えぇ。少し与えただけの火種から、着々と拡がりを見せて国内で争ってくれている。…ふふ、愚かな国ですね。」

「……愚か…ですって…?」


リフィル様は、お優しい。
其れ故に、国外の民の事までを想ってしまう。

自分を大切に出来ないのか。
僕が大切なのは、
貴女の事だけなのに。