「一回でも遅刻したら、お仕事なくなっちゃうよ!」 美奈子が、俺に詰め寄るように立ち上がって 正面から目を合わせてくる。 「・・・・・・平気だろ? 美奈子は人気声優なんだからさ・・・・・・」 美奈子の勢いに、たじろぎながら俺は言い返した。 「アフレコは入ってないの! ただのイベントだから! セリフじゃないし、ね?」 美奈子は、これでもかってくらい 思い詰めた表情で言った。 _