そして秘密の〜番外編〜

「な、何を、言っているの? そんな事、ある筈」

「『無い』って、言い切れないだろ? あいつの遺体は誰も見てないんだから」



動揺しながら否定しようとする美雪の言葉を遮り、俺はそう言った。

美雪は大きく目を見開いた後、ゆっくり俯いて、首を左右に振った。



「そんな事、無いよ。だって、生きていたら、すぐに戻って来る筈だもん」



ギュッ

胸が締め付けられる。



『生きていたら、すぐに戻って来る筈』。

その言葉に、美雪と僚二の絆を感じた。

僚二が帰る場所は……美雪の所。



もし、なんらかの事情で戻って来られないだけだったら?

もし、それが戻れる状況に変化したら?



そんな、『もし』の選択は、美雪には無いのか?