大歓声の中、舞台の幕は閉じた。 今回の脚本と演出は、和馬の父親だった。 やっぱ、おじさんの書くストーリー展開って、先が見えなくて面白い。 俺はちょっと余韻に浸っていたが、回りが帰り始めているのに気が付き、ハッとした。 隣を見ると、美雪が舞台の方を見て、ボーっとしていた。 感動から、抜け出せずにいるんだな。 俺はもっと美雪の表情をよく見たくて、今はもう誰も居なくなった前の座席の背もたれに片肘をついて、ほぼ真正面から覗き込む。 その表情を見て、あいつを思い出した。 ……僚二……。