そして秘密の〜番外編〜

ほんの数秒だけだったけど、俺が離れると美雪は俺の腕を、キュッと掴んだ。



「涼は、好きだよ」



そっか。

『沖野先生、嫌い』って言ったの、俺が気にしたと思ったんだ。



「俺は……頑張って勉強する『東野』も、彼氏に甘える『美雪』も、どっちも好きだぞ」



美雪は俺の腕を掴んだままで、ちょっと拗ねたまま、でもハニカむように微笑んだ。



本当に、どこまでも……愛しい奴。

俺は美雪が掴んでない方の手で、美雪を抱き寄せた。

これから2週間後の舞台公演まで、こうして美雪を抱き締める事も出来ないんだなぁ。



「涼」

俺の胸に顔を埋めるようにして、美雪が呼んだ。