そして秘密の〜番外編〜

俺は一式準備した勉強道具の中から、英語の教科書を手にした。

すると、テーブルの向こう側から、美雪が不思議そうに覗き込んだ。



「あ、あのさ、涼」

「さぁて、これからたっぷり語り合おうか」



美雪の声が動揺しているところをみると、これから何をするのか、察しているようだ。

俺はわざと美雪を見ないで、教科書を開いた。

一瞬、沈黙した後、美雪は慌てて言った。



「ほら、あの、ねっ、恋人同士の語らいに、それは……いらない、よね?」



『恋人同士の語らい』なんて、普段の美雪なら恥ずかしくて言いそうに無いのに、そうまでして英語の勉強はしたくないらしい。



内心、クスッと笑ってしまうけど、顔には出さない。