そして秘密の〜番外編〜

「えっ? いいんですか?」

真佐志が遠慮がちに訊いてきた。



「今日だけ、特別だぞ」

「ありがとうございます!」

俺の返事にそう言って頭を下げ、真佐志は後部座席のドアを開けて中へ入った。



「失礼します」

美雪はそう言って車に乗った。

2人がシートベルトをしたのを確認して、俺は車を発進させた。



「真佐志は混合練習の日じゃない方が、体動かせたんじゃないか?」



真佐志のプレーは高校生でも上のレベルだ。

今までの混合練習のプランを見せてもらったけど、真佐志のレベルでは物足りない内容の筈。

もしかしたら、女子バスケ部の後輩に、誰かお目当ての女の子でも居るのかな?

そんな浮いた話とは今まで無縁の真佐志だけど、そんな可能性があってもおかしくない。