そして秘密の〜番外編〜

そんな表情を見ていたら、夏にあの海で2人きりで過ごした時間を思い出してきた。



学校で『沖野先生』に見せる、『東野』の顔じゃない。

『涼』だけに見せる、『美雪』の表情。



「いいじゃん。毎日のように会ってたけど、こうして2人きりになるのって、すっげぇ久し振りって、ここに来てやっと思い出したんだよ」

俺が顔を覗き込んでそう言うと、美雪の顔が再び赤くなっていく。



「涼、面白がってない?」

美雪が照れ隠しに、少し怒ったような口調で言った。



おまえの表情の変化が楽しみで、ついついからかってしまうのは事実だけど……今は本心から思っているぞ?