そして秘密の〜番外編〜

「万が一、2人で買い物してるのが誰かに見られたら、マズイだろ? 俺は車で待ってるよ。荷物持ってやれないから、あんまり買い込むなよ?」

「あっ、うん」

美雪はそう返事をしてから、ちょっと遠慮がちに財布を受け取った。



あれっ?

俺って、今までこうやって誰かに財布を預けた事なんて、無かったよな?



頭の中に、ある光景が浮かぶ。

たまにスーパーで買い物をしている時に見掛けるもの。

小さい子供を抱っこした母親が、旦那さんに自分の財布を預けてお会計をしてもらっている姿。