思わず、ジーっと弥生を見ていると、弥生は無言でクルッと俺に背を向け、歩き出した。



「弥生」

呼んでみるけど、返答が無い上に、立ち止まる気配も無い。

仕方が無いので、俺も後ろを歩き始めた。



弥生の後ろ姿を見ていたら、心の中にジワジワと熱い気持ちが込み上げてきた。



そうだよな……俺から言ったのに、忘れてるなんて……弥生はずっと覚えていたのに、俺が悪いよなぁ……。

弥生は、どんな気持ちで覚えてたのかな?



「なぁ、弥生」

相変わらず、返答は無い。