そして秘密の〜番外編〜

「はーい」

中から美雪の声。



「入るぞ」

そう言ってからドアを開けた。



ドライヤーを手にしている所を見ると、髪を乾かしていたんだろう。

いざ美雪の姿を目の前にすると、なんて訊いていいか、戸惑った。



「お兄ちゃん。どうしたの?」

不思議そうに首を傾げる美雪。



「んー、いや。大した事じゃないんだけどな」

一応、そう前置きをしてみる。



本当は事実なら、『大した話』だ。